archive : 花形 槙 Hanagata Shin

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慶應義塾大学SFCにて工学分野の研究に従事したのち、多摩美術大学大学院修士課程メディア芸術コースに進学。筋電刺激装置や視覚機器を用いて、この後期資本主義社会において揺らぐ自己と他者、人間と非人間の境界を再構築するような状況を実装し、それを自らの肉体で実践する。

主な発表に、「Stilllive」(ゲーテ・インスティトゥート東京, 2021)、「Agoraphobia」(隅田公園, Token Art Center, 2021)、「CAF入選作品展」(ヒルサイドフォーラム, 2021)、「肉体逃走合宿」(F/Actory 神楽坂, 2021)、「トランス・ペアレンタル・コントロール」(新宿眼科画廊, 2021)など。

主な受賞・助成に、アジアデジタルアート大賞インタラクティブアート部門大賞(2018)、文化庁メディア芸術祭アート部門審査員推薦作品(2019)、学生CGコンテスト市原えつこ評価員賞(2021)、第 4・5 期クマ財団奨学生(2020, 2021)など。

電脳CYBERMASSAGING按摩
www.shinhanagata.com

#work series : still human 2021~

人間であるということ、それは自由意志をもち、それに伴う責任を全うし、自律的な個人として尊重されること。だがそれは、この高度資本主義社会において、アルゴリズムによってフィルターバブルに閉じ込められる我々が狂ったように繰り返すクリックや、企業のシステムに管理されながら行動する安価なアクチュエータとしての労働を肯定する論理に成り果て、我々からの搾取を加速する。そして、「理想」の人間となることを駆り立てる。

そんな世界で疲れた私は、自由意志、責任、個人という幻想から離脱し、人間性の放棄を試みる。

私は、足先にカメラを装着し、その映像をヘッドマウントディスプレイを通して見ている。つまり、私の目は足先に移される。このことは、私の身体全体を変性させる。「前」は足先の方向へと変わり、それによって体の使い方が全て変化していく。私はまるで生まれたばかりの生物のように、新しい身体の使い方を試行錯誤する。とにかく前進したい、目の前のものをよく見たいという欲求に支配され、言語的思考は失われていく。見たことのある世界がまるで初めて見たものであるかのように新鮮に映る。触覚が私を世界に位置付けてくれることが嬉しい。確かに今、私は何か違うものになり変わりつつあるという感覚を味わっている。

「意志」を持つ脳が身体を隷属させる構造を反転させるようにして、私自身の身体を反転し、この「意志」の幻想が駆動する世界が反転する。そうして私は、我を忘れて「人間」から逃避する。

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title : still human
date : 28-30 May 2021
venue: 新大久保某アパート、戸山公園
event : 第一回 肉体逃走合宿

title : still human
date : March 2021
venue: 多摩美術大学、アーティスト自宅 

#work series : Uber Existence 2020~

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title : Uber Existence PV
date : 2020
venue: 八王子市街, 東京

title : Uber Existence – 初詣
date : 31 Dec 2020 – 1 Jan 2021
venue: 神田明神, 東京
event : オンラインイベント https://becv.jp

#work series : Paralogue 2017~2019

Paralogueは、自らの腕に他者を寄生させ、自己と他者が重なり合う身体を作り出す作品である。装置を腕に身につけた宿主は、EMS(電気的筋肉刺激)によって本人の意思とは無関係に手腕を動かされ、その腕は、遠隔にいる寄生者があたかもそこに憑依したかのように振る舞い始める。この時、宿主にとってそれまで疑いようもなく自らの身体の一部であった腕は、自我を持った他者として立ち現れる。

Paralogueは、自らの腕に他者を寄生させ、自己と他者が重なり合う身体を作り出す作品である。装置を腕に身につけた宿主は、EMS(電気的筋肉刺激)によって本人の意思とは無関係に手腕を動かされ、その腕は、遠隔にいる寄生者があたかもそこに憑依したかのように振る舞い始める。この時、宿主にとってそれまで疑いようもなく自らの身体の一部であった腕は、自我を持った他者として立ち現れる。

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title : Paralogue
date : 2018
venue: NU関内、EDGEof渋谷
event: Augmented Human 2018
edit : 花形槙