archive : Takako Saito 斉藤陽子

archive : Takako Saito 斉藤陽子

(写真上)1995 ライン川の船上でのパフォーマンス

フルクサスのアーティストと紹介されることの多い、斉藤陽子(さいとうたかこ)さん。山岡は、2004年に国際交流基金の派遣事業でドイツのレジデンスに滞在している時に、斉藤さんのデュッセルドルフのスタジオに訪問して、作品を見せていただいたり、お話を聞かせていただきました。その後も、しばらくお手紙を頂戴して、関わりを続けてきました。斉藤さんは、パフォーマンスというより、造形のアーティストというべきかもしれませんが、実際、たくさんのパフォーマンスをしてきておられ、その観客と関わるパフォーマンス抜きで、彼女の造形作品を語ることは難しいでしょう。(山岡)

1929年、福井県鯖江市出身。斉藤陽子さんが生まれ育った頃、斉藤家は福井県で2番目の高額納税者というほどの裕福な家庭。日本女子大学卒業(児童心理学専攻)卒業後、福井に戻って中学校で国語を教えていた。その頃知り合った美術教師たちと共に、久保貞次郎氏が創設した創造美育協会に参加、絵を書き始めた。思うところがあって、1961年に札幌で肉体労働の仕事をする。しかし、美術を続けたいという気持ちは収まらず、創造美育協会に参加していた靉嘔氏の伝手を頼って、1963年にはNYに渡る。学生ビザを得ながら、当時、活発になりかけていたフルクサスに参加、木工の腕前を武器に造形作品も作り始める。1968年には渡欧。その後の約10年は、アルバイトをしながら、フランス、イタリア、イギリスなどを放浪。1978年ごろに、ようやくドイツで美術教師の職を得て、デュッセルドルフのアーティストハウスに定住するようになった。また、その頃フルクサスの名が欧米で知られ始め、展覧会で作品が売れるようになる。以後は、主にヨーロッパ、時々、NYで展覧会、パフォーマンスを、フルクサスのアーティストとして活躍。日本での紹介は比較的少なく、1991年福井での個展、2001年大阪の国立国際美術館での「ドイツのおけるフルクサス1962~1994」、2004〜2005年うらわ美術館「FLUXUS – Art into Life」、2008年豊田市美術館「DISSONNANCES不協和音-日本のアーティスト6人」、2025年8月回顧展「斉藤陽子×遊ぶミュージアム」。造形作品のバリエーションは多岐に渡り、世界中のコレクターによりコレクションされている。以下のサイトにざっくりと分類されて載っている。takakosaito.com  こちらは、イタリアのコレクターのコレクションリスト。https://www.fondazionebonotto.org/en/collection/fluxus/saitotakako

1976 Milano
1994 Milano

以下は、美術館などがインターネットにアップロードしているごく近年のパフォーマンスの動画です。一番下にある、1999年のデュッセルドルフの斉藤のご近所さんたちと行ったパフォーマンスはまた違った趣きで、貴重な記録です。

works: PLAYING WITH PAPER CUBES
date :27 Feb 2020
venue : Les Abattoirs, Musée  Toulouse, France
project :”Viva Gino ! Une vie dans l’art” (Réalisation : Svetlana Dreyer)


works: You and Me,  Do it Yourself, etc
date :12th Nov 2017~  18th Feb 2018
venue : Museum für Gegenwartskunst Siegen
project :Takako Saito, Retrospective exhibition 

title: Kopfwürfelspiel (Head Cube Game)
date :13th Jan  2018
venue : Museum für Gegenwartskunst Siegen
project :Takako Saito, Retrospective exhibition

works: Klangkleidermusik (Sound Clothes Music)
date :12th Nov 2017
venue : Museum für Gegenwartskunst Siegen
project :Takako Saito, Retrospective exhibition

title : Play with Paper Cube
date :12th Nov 2017~  18th Feb 2018
venue : Museum für Gegenwartskunst Siegen
project :Takako Saito, Retrospective exhibition

title : Cube Box Work
date :29th May 1999
venue : Rheinufer Dusseldorf
camera :Uwe Zimmermann