photo : Fujita Naoki
1983年 山口県生まれ、現在東京を拠点に活動。
2006年に豊橋技術科学大学建設工学課程を卒業後10年にわたって建築設計・都市計画に携わる。
2014年より映像インスタレーション作品を発表。「人の動きを意識的に変化させるアクション」をテーマに、都市空間を舞台として制作している。
2020年より西荻窪にトモ都市美術館(現TOMO都市美術館)を企画運営。
主な展覧会に「ミッシング・サン(芸術競技2021)」(代々木TOH、2021)、「ヘルニア都市」(トモ都市美術館、2020)、「有酸素ナンパ」(埼玉県立近代美術館、2019年)、「あいちトリエンナーレ2019」(豊田市、2019年) 、「tttv」(中央本線画廊、2018年)がある。主な受賞に「イメージフォーラム・フェスティバル2019」観客賞、「WIRED CREATIVE HACK AWARD 2019」準グランプリ、「デイリーポータルZ 新人賞2020」優秀賞がある。
「都市空間や公共ルールに歪みを生むアクションを行い、人の動きが変容する瞬間を記録する」ことで制作をしている。アーティストとしてのこの態度は、デザイナーとして建築/都市設計に長年携わって辿り着いた、「建築や都市の完璧なデザインはありえない」という結論から育まれている(人間の、無限にある感情や振る舞いを余さず取り込んで形態化することは不可能なのだ)。都市はもともと不完全なものなのだと分かったときから、都市の使い方自体を更新していくことに関心が移った。それ以来デザインを諦め、アーティストとして新しい都市の使い方の開発を目論んでいる。
破局のトレーニング/The Training of Breakup 2022年
シングルチャンネルFHDビデオ
監督、出演:トモトシ
撮影:林千歩、吉田山、渡邉洵、トモトシ
電車に乗り遅れたときのやるせなさを乗り越えるための22の訓練のバリエーションを収めたビデオ作品。
「ミッシング・ミッシング・サン」2021 https://tomotosi.com/portfolio/the-missing-sun/
映像、マスク、裁縫道具、掲揚塔 (現在、動画は見られません)
「水の波紋展」2021の出展作品。トモトシの展示は超シンプルで、路上に落ちているマスクを拾って、縫い付けて白旗を作って揚げるというもの。会期中にも徐々に大きくして、最終的に64枚のマスク白旗になった。
「東京五輪へ贈る3匹の魚」 2020 (trailer)
映像 11分56秒 撮影:千葉大二郎、宮野かおり
2020年7月24日(東京オリンピック2020の開会式の予定日と同日)に3匹の魚を、あたかも海の中を泳いでいるように動かし、最後には新国立競技場の敷地内に投げ入れた。
「美しい日本の私たち」 2019 https://tomotosi.com/portfolio/japan-the-beautiful/
映像 11分56秒 (現在は見られません)
トモトシのメッセージは、 「東京オリンピック開催まであとわずか」 「オリンピックには多くの外国人が訪れる」 「だから私たちはもっと美しくならなければならない」 無精ひげ面の彼の胸にはオリンピックのロゴがあり、彼の話す言語は英語である。コンテクストが混在した状況で、彼は次第に理不尽な要求をし始める。一連のパフォーマンスに対する、通勤に忙しい人々の反応の記録。
「あいまいな日本の私たち」 2019 https://tomotosi.com/portfolio/japan-the-ambiguous/
映像 5分33秒 (現在は見られません)
作家は街頭にて、セルフィ―撮影状態でひたすら待機する。そして道行く人がカメラに映り込んできて、ポーズを決める瞬間を記録する。現代社会において「出会い」は周到にデザインされている。しかしここに映っているのは、ルール(カメラで撮影している人の邪魔してはいけない等)を破って出会ってくれてた人たちである。
「フォーマルシティー」 2019 (trailer)
映像7分13秒、パジャマ、スーツ
日本中が新しいスタートを切る4月。定職のない僕は部屋で一人、疎外感を感じていた。 ある朝僕は都心の出勤ラッシュのなか、パジャマからスーツに着替えるパフォーマンスをした。スーツを身にまとった瞬間、 少しだけまわりになじめた気がした。
ブザービーター/Buzzer Beater
2018年
シングルチャンネルFHDビデオ
監督、出演:トモトシ
撮影:原川健、内山智惠
電車が駅に着き、一番端の席に座っていた人が立つと隣に座っていた人が移動する。この動きが多くのことを語っているように、僕には思える。
「逆パノプティコン」 2016 (trailer)
映像 6分25秒
現代の都市は、細かく細かく管理されている。そんな都市の公園にソフトなハッキングを仕掛けることを試みた。最初に誰も気づかない小さな植物を植え、それを少しずつ少しずつ大きなものに変えていく。ぼくたちは日々多くの情報を受け取りながら生活している。そして同時に、多くの情報を見逃しながらも生活している。